IE9ピン留め

Design, Art, Museum...見たもの、思ったこと、考えたこと。美術館大好き、その記録が多いです。
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芹沢銈介展 -宗廣コレクション-
渋谷区立松濤美術館で開催している、芹沢銈介展を見てきました。

実は、松濤美術館は初めてなのでーす。
休日だったため、渋谷駅周辺はものすごく混んでいて
井の頭線でひと駅の神泉から行きました。
ここまで来ると、静かな住宅街がひろがっています。

見た感じ、なんだか重厚な建物が…

芹沢銈介(せりざわけいすけ、1895~1984)とは、
文化功労者、型絵染の人間国宝(重要無形文化財保持者)。
30代前半に民藝運動※の創始者、柳宗悦と出会う。
沖縄の伝統的な染色である紅型(びんがた)に衝撃を受けたことを契機に、本格的に染色の道へ。
民芸運動に参加し、紅型を精神的な支柱にすえつつ、極めて独創的な型絵染を考案しました。

※日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に「用の美」を見出し、活用する日本独自の運動。

この展覧会チラシにあるような、蓑に私は惹かれました
これ染め物で、「みのけら図屏風」といいます。
似たようなもので、「ばんどり図屏風」というのもあって

…ばんどりというのは荷物を運ぶときに使う背中当てのことで、
東北地方では「ばんどり」といい、美しく装飾されたものもあります

昔の生活に欠かせなかった、素朴な身の回りの品。
今はもう使われなくなってしまったけれど。
染め物の色やデフォルメした形がなんだか可愛らしいです。

他にも、反物で表現したような「春夏秋冬」の文字、
日常を描いた風物詩、何気ない自分の仕事場など
何気ないものをテーマにしているものが多かった。
身の回りのものを愛でる。そんな優しい気持ちがしました。
この展覧会は染織が中心の展示でしたが、
装丁やインテリアのデザインを手がけたり、民芸品の収集もしていたようなので
機会があれば是非見てみたいです


芹沢銈介展 -宗廣コレクション-
渋谷区松濤美術館
2011年10月4日-11月20日
http://www.shoto-museum.jp/
# by m_neioumi | 2011-11-14 22:13 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(1)
洋上のインテリアⅡ
日本郵船歴史博物館に行ってきました。
いつも気になる展覧会をやっているのに
なかなか行けなくて。「洋上のインテリアⅡ」展開催中でした。

企画展示は常設展の中に組み込まれている形になっていたので
岩崎弥太郎の九十九商会に始まって
世界中の港をつなぐ、世界有数の海運会社になっていく…
そして登場したのが、豪華客船ブーム。
当時は航空網が発達していなかったので、
海外旅行ができる唯一の、夢の乗り物だったのだ

室内装飾、パンフレット、調度や提供する食事に至るまでとにかく凄い。
それもそのはず
世界の著名人を乗せて、世界中の港を回るわけだから、
そりゃ各国こぞって国の名に恥じない、
自国の文化を最大限にアピールするわけです。

日本も当初、明治後期は海外の様式を輸入する形でしたが
著名な建築家やデザイナーを起用して、純国産の客船を世に送り出します!
洗練されたアールデコ様式、いいなー
あんまり写真が残っていないのが残念ですが…
中村順平、村野藤吾、吉田五十八、丹下健三、前川国男…日本近代建築史に残る名建築家ばかり。

面白いのは、装飾を排したモダニズムの流れが陸上(?)の建築にあるにもかかわらず
客船の中では華美で装飾的、つまり逆行した「現代日本様式」という独自のスタイルがあったこと。
同じ建築家でも、
客船ではまた違った様式で設計をしているから驚き。

それだけ「客船」というのは特異なポジションだったということか。
なんか溜息でちゃう。


しかーし。
この豪華客船も、悲しい運命が待ち受けていました
太平洋戦争です。
著名建築家の競演による、最高の大型客船となるはずだった、完成間近の「橿原丸」は
航空母艦としての改造を余儀なくされ
他の多くの客船も戦争に徴用されてしまいます。
戦争開始時にあった133艘のうち(戦時中、さらに89艘建造している)
敗戦時に残ったのはたったの37艘。
日本郵船としても、戦争参加船員の死亡率がなんと43%。(海軍兵員より2.6倍も多い)
つまり、海運を支える多くの人たちが犠牲になったということ…
ううっ、こんな悲しい過去があったなんて

徴用された客船の中には、横山大観や藤田嗣治の描いた絵もあったようなのですが
船内に飾られる絵というのは、揺れで外れないようにしっかり壁に固定するため
容易に取り外すことができなかったのか
はたまた戦争の混乱のせいか。
写真さえも残っておらず、海の藻屑と消えてしまったようです
かなしすぎる…


戦後は航空網の発達で
船に乗って海外旅行、という選択肢はあまりなくなってしまい
この洋上の「現代日本様式」があったのもほんの十数年でしょうか。
はかない夢のような。

世界は広いけど、
日本の場合、その前に広がっている海は広くて、深くて…
海への思いはまた特別なんだろうなあ。


洋上のインテリアⅡ
2011年8月6日(土)-11月27日(日)
日本郵船歴史博物館
http://www.nyk.com/rekishi/index.htm



More... 以下個人的な感想です
# by m_neioumi | 2011-11-03 23:53 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
竹と民具 -竹とともに暮らす-
神奈川県立歴史博物館に行ってきました。
横浜はあんまり遠くないのに、このあたり歩くのは初めてです。

西洋風のこの博物館の建物は
もとは旧横浜正金銀行本店の本館だったそうですが
重文指定を受けているのね!
さて今日は、特別展を見に来ました。
それも「竹と民具」。
まあ仕事の繋がりもあるので、見ておかなくちゃということだったんですが
なかなかのボリュームがあって見応えありました。

今はプラスチックやステンレスにとって代わられてしまったけれど
生活のあらゆる場、身近なところに竹はあって
職人さんの技、使う人の知恵、素材の持つ美しさ…
自然のものを見つめ直したいなあ

民具の展示って地味っちゃ地味なんですが
結構たくさんの人が見に来て、あれこれ昔の話に花が咲いたようで
それが印象に残りました。


竹と民具 -竹とともに暮らす-
2011年9月10日-11月6日
神奈川県立歴史博物館
http://ch.kanagawa-museum.jp/index.html
# by m_neioumi | 2011-11-03 22:28 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
東山旧岸邸
先日、買い物をしに
ちょっくら御殿場のアウトレットに初めて行ったのですが…

買い物三昧ではせっかくの休日がなんか勿体なかったので、
近くの「東山旧岸邸」に行ってきました

駐車場を出たら、なんだか雰囲気のある門が
この先どんなお屋敷があるのやら。
林の中を歩いて行って、こちらが岸邸のエントランスです。

左側がチケットカウンターや事務所、休憩室のある棟、
右側が邸宅で正面玄関。
意外と質素なつくり。最初わからなかった…
さてさて、こちらのお宅ですが、
第56・57代内閣総理大臣をつとめた岸信介[きしのぶすけ]が
晩年の17年を過ごした自邸なのです。

設計したのは、建築家の吉田五十六[よしだいそや]。
伝統的な数寄屋造りと現代的な機能の両立を目指した設計なのだそう。

手入れの行き届いた庭、見晴らしのいい部屋、食堂。
機能的でシンプルなキッチン。
もてなすためのしつらえあり、書斎あり、
職業柄、いざという非常事態への備えもある。

上の写真。
この食堂のガラスは押込戸になっていて
(窓を全開にするときはガラス戸や網戸を壁の戸袋に収納して、表からは見えなくなる)
開放感のあるすっきりとした空間のできあがり。
このあたり、モダンですなあ。

森の香り、小鳥のさえずり。贅沢な空間だわあ

左。
キッチンは白を基調としていて、とてもすっきりしています。
なんか、こういうお宅、ありそう。
このあたりはお手伝いさんがメインに使っていただろうから、
清潔さや機能性が重視されているようです。

このまま普通に使えそうですね…
電気のスイッチ。
こういう細部も、今見るとちょっとレトロな感じでいいな。

由緒ある方のお宅なのに
なんだか想像していたよりもこぢんまり、シンプルなつくりでびっくり。
無駄に広い訳でも、華美なわけでもなくて
最低限の大きさで、最低限しか飾っていなくて、
でもゆったりとした感じがしていいなあと思いました。

御殿場市東山旧岸邸
〒412-0024静岡県御殿場市東山1082
http://www.kyu-kishitei.jp/

番外編もご覧あれ!
# by m_neioumi | 2011-10-30 22:45 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
清春芸術村
今年の夏休みは、仕事が忙しくてお盆休みがありませんでした。
一段落して、遅い夏休み。夏を満喫するぞ!
ということで
場所は山梨県北杜市。清春芸術村に行ってきました。
ここはアトリエ、美術館、図書館などからなる文化複合施設。
おもしろい建築や興味深い展覧会もやっています。
夏と言えば、涼しい山に行きたい!美術館も見たい!というリクエストにぴったりですね~〜

一番目立つ建物はこのラ・リューシュ。

この建物はもともとギュスターブ・エッフェルが設計し、1900年に開催されたパリ万国博覧会のワインのパビリオンとして建設されたもの。を模してここに再現したらしい。内部はアトリエと生活空間(合宿所みたい?)になっているらしいのですが、中の様子を見た感じ、閉鎖?されているようでした。

茶室 徹(てつ)。

建築史家・藤森照信の設計によるもの。
前も茅野市[2009年8月の記事参照]
「高過庵(たかすぎあん)」というユニークなお茶室を見ましたが、
またここで違ったものが見られるとは。
こちらのほうが、まだ上に登るハードルが低そうです。


梅原アトリエ。

画家梅原龍三郎の和風アトリエを東京新宿の梅原邸から移築したもの。
中に入れなくて残念。庭に面した窓から、中を少々覗き見させてもらいました。
イーゼルにかかった絵と画材がありました。

ルオーの礼拝堂

きれいなステンドグラスと、キリスト像はルオーによる作。
パイプオルガンもある。
狭そうなのに、意外と中は広かった。どこからか自然光が入ってきて、意外と明るかった。
光の美術館

清春芸術村開村30周年を記念して建設された美術館らしい。(そんなに前からあったの!?)
自然光を取り入れた展示室に、スペイン画家アントニ・クラベの作品が展示してある。
設計は安藤忠雄。これまた、見た目のこぢんまりさとは裏腹に、中は明るくて意外と広いです。
清春白樺美術館

武者小路実篤、志賀直哉など『白樺』の同人が建設しようとしてその夢を果 せなかった“幻の美術館”を、武者小路、志賀の両氏を敬愛し、個人的にも親交のあった吉井長三が実現したもの。
ちょうど、ルオーの作品を展示していました。
…番外編。

道ばたに停めてあるレトロなシトロエン。

なんだ?

と思ってよく見てみると

おー

移動式アトリエなのですね〜


「村」の名の通り、こぢんまりとした施設です。
が、遠くに見える八ヶ岳と、自然のおいしい空気と、建築や彫刻と、があって
この名の通り、芸術家がいっぱい集まるほんとうの村になったらさぞ楽しかろうと思いました。

自然を満喫しながらの訪問がおすすめです。


清春芸術村
http://www.kiyoharu-art.com/index.htm
# by m_neioumi | 2011-09-10 20:25 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
名和晃平 ─ シンセシス

東京都現代美術館に見に行ったのはかなり前になってしまったので、備忘録になってしまいました。

現代アーティストとして注目されている、名和晃平さんの大規模な個展です。
彼の作品で代表的な、ミラーボックスの中に剥製が入っている「PRISM」シリーズにはじまる。
剥製にガラス玉を敷きつめたような「BEADS」*上の画像参照
スタイロフォームを吹き付け、原形が曖昧になってしまった彫刻「SCUM」。
これはまるで原型を当てる、形のクイズみたいだ。

立体系の作品がメインかと思いきや、等間隔にグルーガンで作った玉を並べて模様を浮き上がらせた「GLUE」シリーズ、
ドローイングやコンピューターグラフィックスもある。
あんまり凝視していると、目眩がしてきた。

彼のテーマが、デジタルとアナログ、身体と感覚、感性だったことは初めて知ったけど
(作品を、キレイー、カワイイーとか、ミーハーな気持ちで見るつもりはないけど)
目の前に見えるものとの対話…を求められたような気がする。


名和晃平 ─ シンセシス
東京都現代美術館
2011年6月11日(土)~8月28日(日)
http://www.mot-art-museum.jp/koheinawa/
※画像は現代美術館のサイトより

10月13日up
# by m_neioumi | 2011-08-13 20:04 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
The Chemical Brothers - Snow
去年のリリースで今更なんだけど…
The Chemical Brothersのアルバム「Further」ジャケット写真が
ビル・ヴィオラ[Bill Viola]っぽいです。

収録曲snowのビデオクリップも、こんな感じ。

# by m_neioumi | 2011-07-31 00:02 | おぼえ書き -memo | Trackback | Comments(0)
濱田庄司スタイル展
見学しに行ったのはだいぶ前になってしまいましたが。
忘れないうちに、載せときます。

汐留ミュージアムで開催されていた、「濱田庄司スタイル展」。
濱田庄司(1894-1978)は日本の民藝運動の中心人物であり、現代陶芸の第一人者です。

イギリス人陶芸家バーナード・リーチとの交流、海外を歴訪した際の記録、
チャールズ・イームズとのエピソード…などの紹介も気になりましたが
一番印象に残っているのは
益子に移り住んでから、古い民家を移築して、そこで自給自足の生活をしながら
制作活動をしていたこと。
写真を一見した感じ、使い込まれた民具に囲まれて、農家みたい。
今でいうスローライフを実践していたのかな。
いいものを生み出すために必要な「良き生活」とは何か、突き詰めた結果とのことで
都会人からすると、ちょっと羨ましい。

作風の印象としては大胆で豪快な感じ?
現代陶芸家の作品とはいえ、家族も日常的に使っていたそうです。
普段使いのできる器たち。媚びる訳でもない、素朴さ。
その人の成りを表しているんだろうな。
みんなでわいわい、美味しいご飯を食べる幸せ。
(当たり前なんだけど、手作りの器だったらなお美味しそうだと思ってしまったのでした)

ちなみに、この益子の自邸・工房は現在、
「益子参考館」として一般公開されています。
近々行ってみたいなあ
http://www.mashiko-sankokan.net/

-理想の暮らしを求めて- 濱田庄司スタイル展
2011年7月16日(土)~2011年9月25日(日)
汐留ミュージアム
濱田庄司スタイル展 スペシャルコンテンツ
# by m_neioumi | 2011-07-30 22:16 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
五百羅漢展 ―幕末の絵師 狩野一信


江戸東京博物館で開催していた展覧会。最終日に行ってきました。
「羅漢」とは、釈迦の弟子として、すでにこの世にいない釈迦の残した法を求め、それを悟ったものとして人々に信仰されてきました。中国から日本に羅漢信仰が伝わったものですが、江戸時代中期以降、各地で様々な五百羅漢の像が盛んに制作されるようになります。五百羅漢を訪ねれば、いまは亡き大切な人に対面できるという信仰が一挙に広まったみたいです。

今回取り上げられているのは、幕末の絵師、狩野一信(かのうかずのぶ 1816-1863)による絵画。それも芝増上寺に奉納された100幅もの羅漢像の大傑作なのです。
彼一人の構想で描いたという超大作、これが一度に公開されるのもなかなかないのでは…

そもそもどうして「五百羅漢」なのかというと、100幅の絵画にはそれぞれ5人ずつ羅漢像が描かれ、全部あわせて本当に500人の羅漢様がいることになります。もちろん、絵画の中にはほかにも弟子や天人や王侯貴族、平民、畜生などたくさんの登場人物が描かれます。羅漢信仰はもともと中国で盛んだったものらしく、中国絵画にならった異国的な場面が展開。2幅対になったダイナミックな構図もあり、大きな画面いっぱいに、羅漢様の表情や背景など細部にわたって、克明に描かれている。(羅漢様たちの濃いいこと…)
神通力をもって奇跡?を起こしたり、病を治す姿、説法を説く姿、
白熱した議論の様子(例えるならば、朝まで生テレビ、だそうな)
さらに、想像上の動物たちを手懐けたり、地獄で苦しむ人々を救済したり、天変地異や戦から救いの手をさしのべる姿…
あの地震のとき、羅漢様たちが現われて、こんなふうに沢山の人を救ってくれたらな、なんて思ってしまった。

一方で、お風呂あがりの気持ち良さそうに汗を流す姿、天界や俗世を旅する様子(高齢の羅漢様は長い階段を登って息が切れぎれしている!)まだあどけない少年たちを修行僧として迎えるときの微笑ましい姿、顔を剥がすと実は菩薩様だった、という衝撃のシーンなど、実に様々な姿で描かれているので、だんだん羅漢様たちが身近な存在のような気がしてくる。

今も仮の姿でこの世を見守ってくれているのかな?

ところが一信は96幅まで描いたところで、この世を去ってしまう。
その後を妻や弟子が引き継いだのだが、それまでの大胆さや豪華絢爛さといった
絵画の勢いが沈んでしまっているのは否めない。とても残念ではある。
しかし100幅もの大作を、よくぞここまで構想し描くことができたなと思う。
1枚1枚に魂が込められた、まさに命のかかった絵。
単なる仏画と思ったら大間違いで、かなり見応えありました。


法然上人八百年御忌奉賛
特別展「五百羅漢―増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」

江戸東京博物館
http://500rakan.exhn.jp/
平成23年(2011)4月29日(金・祝)~ 7月3日(日)
※トップ画像は江戸東京博物館のサイトより転載しました
# by m_neioumi | 2011-07-03 23:00 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
森と芸術 FOREST AND ART
梅雨の間の晴れ間に。
東京都庭園美術館の展覧会、「森と芸術」を見に行ってきました。

「森」というと、どんなイメージが浮かぶ?
私は昔から海よりも山が好き。山といえば、森。
森には面白い植物や生き物がたくさんいるし、
静かで落ち着くので
なんか仕事に疲れたなー、とか
ストレスを感じたら行きたくなる場所。
展覧会案内チラシにあるように
はるかな昔、人間は森に住み、森の恵みを糧に暮らしていました。のちに森を離れて文明を築くようになってからも、人間は森という故郷に「楽園」の思い出を重ね、ノスタルジアを抱きつづけてきたのです。古今の芸術作品のなかにも、そうした原初の森への郷愁や憧れがあらわれています。
 森の神話・伝説を描く絵画、情感ゆたかな風景画、メルヘン絵本、植物文様をもつアール・ヌーヴォーのガラス器など、森の魅惑を体現する作品の数々が展示されます。アンリ・ルソーの楽園図、クロード・ロランにはじまる各時代の風景画、セリュジエやゴーギャンの描く伝説の森、グリムやアンデルセンの挿絵、シュルレアリスムの森の幻想と神秘・・・


確かに、森は芸術の宝庫でもある。
森と言われて思い浮かぶイメージや作品は
たくさんあるけれど、
なんとなく「森」が恋しくなったので、
終了間際!足を運んでみました。
美術館自体、庭があるしね。

○ 楽園としての森 〜 神話と伝説の森
人間は「楽園」という森から生まれた。
人類創世、アダムとイヴがいた楽園もまさに森。
ローマやケルトの神話では、人をたぶらかす妖精オンディーヌ、
酒呑の半獣バッカスなどなど、得体の知れない存在が登場。
今でもいる…のかなあ。

○ 風景画の中の森 〜 アールヌーヴォーと象徴の森
バルビゾン派というと、私は農村のイメージなのだけど、ここでは森を描いた作品がならぶ。
フォンテーヌブロー、ブローニュの森ってよく聞くけど、どんな森なんだろう。
エミール・ガレのガラスは思っていたよりも重厚でした。

○ 森の様々なイメージ
展覧会の核となっていたのは恐らくココ。
剥製や標本が棚に並んだ東京大学総合研究博物館の「森のカメラ・オブスクラ」は博物館の始まりといえる
エンライトメント(enlightenment、啓蒙の部屋)を彷彿とさせるし
川田喜久治の「聖なる森」シリーズより、イタリアのボマルツォの森のモノクロ写真は
怪物たち(石の彫刻)が、まるで石にされて時間が止まっているかのように佇む、不気味な姿を見せている。

○ シュルレアリスムの森
マックス・エルンストの描く森は、黒かったり、灰色だったり、なんだか夜のイメージ。
岡本太郎の絵もあったけど、なんとなく、かの有名な「森の掟」も見たくなった…

展覧会の最後では、庭園美術館そのものを取り上げる。美術館建物そのものが「アール・デコ」であり、
さらに私たちの目線は美術館を取り巻く「白金の森」へ、美術館の外へと向かう。

庭園美術館はよく行くのですが、庭をゆっくり見たのは初めてでした。
西洋式、日本式、両方あったのですねえ。
梅雨の時期だったので、少しじめっとして、庭園では色とりどりの花が所々に咲いていて、地面の草も苔も葉っぱも、青々と、あるいはうっそうとしていました。

あー。緑を見てると癒される


森と芸術 FOREST AND ART
東京都庭園美術館
2011年4月11日-7月3日
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/mori/index.html

7月2日見学。




個人的に。森と言えば思い浮かぶアートいろいろ。
# by m_neioumi | 2011-07-02 23:21 | 美術館・ギャラリー -museum | Trackback | Comments(0)
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